Project03. 西火力発電所

プロジェクトストーリー 蒸気供給構想も実現した西火力発電所3号機。 Project03. 西火力発電所

PROJECT 03
蒸気供給構想も実現した西火力発電所3号機。

火力発電は大量の蒸気を使う。この蒸気を再利用できないか。
旧3号機の建設以来、長年にわたって培ってきた技術者たちの知恵と努力が日の目を見る。
出力150,000kW、蒸気供給量最大120t/h、蒸気供給配管延長約3.3km。
新しいベース火力として期待される西火力3号機は、蒸気供給併用の新プラントだ。

山本 央治 コメント

このプロジェクトに参画したのは基本構想策定時の環境アセスメントのとき。当初はアセスメントが終われば、プロジェクトから外れるんだろうなと思っていました。それが、工事計画に入るとそちらへ異動。建設工事に入っても引き続きやってくれと、結局竣工まで立ち会いました。だから着工から完成まで2年半ですが、私自身はその前からですから4年とちょっと一緒に動いてきました。つきあいの長い分、運転開始時の感動もひとしおでした。新しい建設プロジェクトがあれば参画してみたい気はもちろんありますが、設計ノウハウといった、この4年間で得られた知見をどんな場所でもいいから思い切り発揮してみたいという思いでいっぱいです。

山本 央治

住友共同電力株式会社
技術部山本 央治

総合熱効率56%の熱電供給システム。

新居浜市磯浦町の住友共同電力本社構内に、ひときわ高くそびえる煙突がある。高さ150mのこの煙突こそ、2008年3月営業運転開始の西火力3号機の煙突だ。新居浜西火力3号機は、1988年に廃止された旧3号機の跡地に建設されたもので、タービン建屋や発電機基礎、取水路・放水路などが再利用され、建設コストの抑制に貢献した。この3号機は、もう一つ、何十年にわたり諸先輩たちによって構想されてきた夢の実現がある。エネルギー効率向上のために発電に使った蒸気を近隣工場に供給するというのがそれだ。ボイラーでつくられた蒸気はタービンに送られ、それが発電機を回して電気がつくられる。使われた蒸気は海水で冷却され水に戻り、再びボイラーに送られ、蒸気となってタービンを回転させる。これが火力発電の一般的なしくみだが、海水で冷却される前の高熱の蒸気を近隣の工場に供給し、再利用してもらおうというわけだ。通常、火力発電の熱効率は40%前後だが、西火力3号機はこの蒸気供給併用のシステムで、総合熱効率56%という高数字を記録した。

全長3.3kmの蒸気供給用パイプライン。
例のない長距離配管にチャレンジ!

この3号機プロジェクトの基本構想段階に参画し、工事計画から建設工事と、竣工まで立ち会ったのが技術部の山本央治(1996年入社)だ。「単なる発電だけでなく、蒸気を送ってエネルギー効率の向上を図るのがこのプロジェクトの目玉でした。その蒸気供給用のパイプラインがけっこう難しい。地図上では2.5km先の化学工場に蒸気を送るのですが、途中には一部公道に面した部分があったり、他社の敷地内を通ったりと、そのあたりの調整に苦労しました」なにしろ、社内に蓄積ノウハウがない。長距離配管をしている他社の事例を見学したり、独自に工夫したり。敷地を通させていただく他の工場や近隣の住民のみなさんには、イメージ図を作成して説明に歩いた。「温度変化による熱膨張(収縮)を吸収するためのループ配管は、ルートを検討することで極力目立たないようにレイアウトしたりと、見えないところがけっこう工夫されているんですよ。全長3.3kmのパイプラインの中に、先輩たちの夢やアイデアや情熱がいっぱいつまっています」

タイトなスケジュールの中、
関係者一丸となって無事竣工。

着工が2005年10月、営業運転開始が2008年3月だから、わずか2年半で運開までこぎつけたことになる。特に、ボイラとタービンについては一瞬の遅れも許されないタイトな工期だった。これに合わせてパイプラインも敷設していくわけだから、関係各署との綿密な調整が欠かせなかった。 2007年秋には試運転に入る。9月に総合インターロック試験、ボイラ安全弁試験、タービン無負荷試験を実施し、10月には発電機初並入、蒸気供給配管フラッシング、そして11月にはお客さまのプラントへの送汽テストを実施する。「関係者一丸となって、試運転もスケジュール通りに終えることができました。長年の蒸気供給構想がやっと実現できた。高効率の発電設備ができた。竣工のときは、まったくもって感無量でした。」

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