Project01. 別子山・大平プロジェクト

プロジェクトストーリー マイクロ水力発電で新たな可能性に挑む。Project01. 別子山・大平プロジェクト

PROJECT 02
未利用バイオマスを活用した未来型モデル。動き始めた紋別バイオマス発電事業

電力システム改革が加速するなか、再生可能エネルギーの活用は、国策として強力に推し進められている。
そのなかで注目を集めているひとつがCO2フリーのバイオマス発電だが、住友共同電力では、川崎に続くプロジェクトとして現在、紋別バイオマス発電事業に取組んでいる。
他に類を見ないほどに大量の未利用バイオマスを活用するこのプロジェクトは、地域とエネルギーの新しい関係を築く注目のモデルだ。

藤田 真司 コメント

入社後、主に発電所建設や建設後の設備保全や運用の立案・確立などに携わり、西火力3号機建設、林地残材設備建設を担当。また川崎バイオマス発電所の建設から立上にも関わり、その経験を基に紋別バイオマス発電の建設から立上を手がける。「携わった建設プロジェクトにおいて、発電所が形になっていく姿や、発電所の運営に必要な協力会社との付き合いが始まっていく姿をみると感動もひとしおです。また、そのプロジェクトが順調に継続的な利益を生み出し、それが地球温暖化防止や廃棄物の削減など地域に貢献しているとやりがいを感じる」と語る。

塩崎 直樹

住友共同電力株式会社
経営管理部 新規事業チーム塩崎 直樹

初挑戦となった北海道(寒冷地)での
バイオマス発電所の建設

北緯44度に位置する北海道、紋別。そこは、オホーツクから流氷が流れ着き港に接岸することで知られている。初めて紋別を訪れた塩崎は、はるかオホーツク海を見渡す紋別港に立ち、身震いを感じた。この地に、バイオマス発電所を建設する使命と責任が一気に彼を襲ったからだ。振り返ると、新居浜西火力3号機、川崎バイオマス発電と発電所建設プロジェクトに携わってきた。その時の知見があり、発電所建設や立上業務はイメージしやすかった。しかし、これまでは既に着工するために必要な法手続きが終わった後、建設プロジェクトの途中から合流する形で担当しており、法手続きを行う機会が少なく、法的要求事項や手続きについて把握していなかった。法手続きやステークホルダーとの協議に取組むのは初めてのことであり、さらにもうひとつの課題が不安にさせていた。それが、住友共同電力で初めての寒冷地での発電所の建設であった。紋別は、北海道の東に位置し、道内では比較的温暖と言われているが冬の厳しい気象が待ち構えている。氷点下が続く酷寒、降雪という障害を乗り越え、建設工事を進めなければならない。そして、完了後も冬場の安定運転対策に万全を期さなければならないからだ。塩崎のモットーは挑戦である。「やったことがない、大変だと思うような仕事に挑戦する。やったことがないから楽しく仕事をし続けられる。みんなが大変だと思うから、社内外で多くの繋がりができ、多くのサポートを得ることができる」。新しいことに果敢にチャレンジすることは、彼の仕事の流儀であった。その信念が、背中を押した。

工事・設備の仕事が4割、法手続き・対外交渉が4割、
残り2割が新しい会社の基盤整備

2013年の7月、紋別バイオマス発電株式会社とオホーツクバイオエネジー株式会社という二つの会社が設立された。具体的な発電所の設計担当の人選が進んでいたころ、発電所の建設工事に多く関わっていた塩崎に白羽の矢が当たった。従来の業務の引き継ぎを終えたうえで、紋別市に赴任した。現地スタッフとしての塩崎の仕事は多岐にわたった。一例を挙げると、設備仕様の協議や現場立会・検査などのメーカ対応、社内の技術陣の取り纏め、官庁協議および届出、事業全体の進捗状況管理、発電所の運用に必要なさまざまな協力会社の調査・手配などだ。メーカから送付される設備図面を確認し、これまでの経験から得られたバイオマス特有の知見を紋別バイオマス発電へ反映しながら、工事の進捗にあわせて官庁と協議し、各法令手続きを漏れなく遅れなく実施し、発電所の運営に必要な協力会社を探し、協力会社との契約内容を詰めて行く、これらを同時にかつ期日までに滞りなく完了しなければなかなかったことは想像以上大変な作業だった。

地元に根付き、相手方の理解を得て今後も良好な関係を維持するために、昼も夜も市内をめぐり関係個所に前広く丁寧な事前説明を行う日々が続く。役所に対しての膨大な手続き書類の取り纏めと提出が次の難関だ。そしてそれらもクリアして工事に着工した。 工事が着工すると、発電所の運営に必要となる物品を購入する会社、発電所内の燃料をハンドリングする会社、分析会社、補修会社など、地元の協力会社探しを開始した。しかし、紋別は漁業と農業が盛んな街。発電所の運営に関わるような業者が圧倒的に足りないことがわかった。市内になければ、外部に活路を見出すしかない。そうして、塩崎は、紋別、近隣の町の協力会社を片端からめぐることから始めた。 そのなかで、発電所の燃料荷役の委託先として有力候補であった、紋別港の荷役を一手に請負っていた荷役会社が紋別市から撤退するという予想外・想定外の事態も発生した。0からの再スタートとなり、タイムリミットが迫っていたため不安になったが、プロジェクト全体を進捗管理しながら余裕を持って協力会社探しを開始していたため、試運転に間に合うよう別の荷役会社を手配することができた。 100%計画通りにプロジェクトが進むことなどない。予想外・想定外のことにあっても、どんなことがあってもあきらめずに対応することは、プロジェクトを管理する人間の使命なのだ。

  • 建設予定地

    建設予定地

  • 紋別バイオマス発電所建設工事

    紋別バイオマス発電所建設工事

  • 完成した紋別バイオマス発電所

    完成した紋別バイオマス発電所

  • チップヤード(バイオマス燃料)

    チップヤード(バイオマス燃料)

再生可能エネルギーの活用と
地域振興の新しいモデルとしての期待

住友共同電力が国内初の都市型バイオマス発電である川崎バイオマス発電所を営業運転開始したのは2011年2月のことだった。次のバイオマス発電プロジェクトとして紋別市が選ばれた背景は、共同出資者となる住友林業の社有林が立地するなど未利用のバイオマス資源が豊富にあり、地元からの積極的なサポートが受けられたことなど、バイオマス発電所にとって有利な環境を持っていたからだ。 この紋別バイオマス発電所の発電規模は、5万kw。これは、紋別市の世帯数(約1万2300世帯)を上回る6万5000世帯の年間使用量に相当する。さらに特徴的なのは、発電した電気は再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用して売電されることだ。このFIT制度によって2017年12月の本格稼動から20年間は発電が継続されることになる。このため、燃料材になる林地未利用材の集荷やチップ工場の稼働も担保されることになり、年間39億円の経済波及が20年間続くと紋別市では大きな期待を寄せている。

建設工事のピーク時は300人を超える作業員が集まり、現地スタッフ2名を中心に本社との連携を保ちながら、建設プロジェクトをとりまとめてきた。2014年の11月に発電所建設工事着工以来、工事は順調に進んでいる。運転が始まってどうなるのか。寒い冬にも設備は問題ないだろうか。不安と期待が入り混じる中で、現地スタッフを増員して試運転を開始し、営業運転を迎えようとしている。

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