Project01. 別子山・大平プロジェクト

プロジェクトストーリー マイクロ水力発電で新たな可能性に挑む。Project01. 別子山・大平プロジェクト

PROJECT 01
再エネ開発と環境保護を両立できる小水力開発プロジェクト

太陽光や風力よりも安定した発電ができる再生可能エネルギーとして、水力発電への期待度がますます高まっている。
小水力発電は、河川をせきとめることなく建設でき、自然環境保護とともに経済的なメリットも期待でき、
豊かな山林を育みながら貴重な電力を安定して供給できる新しいエネルギーモデルだ。

住友共同電力株式会社
技術部 土木チーム藤田 真司

藤田 真司 コメント

入社後、水力・火力変電設備の補修点検、更新等を担当。現在は、水力発電である別子山発電所リニューアル工事の土木担当者として、設計、施工管理を担当。「共電内の設備に幅広くいろんなことに関わってきました。そこで土木業種以外の人と関わりあい、協力し合う働きやすい環境が気に入っている。学生時代、たくさん勉強し、たくさん遊び、いろんな人と話してきたことが仕事をする時の力になっていると思う」と語る。

地域に根ざした歴史ある
別子山水力発電所リニューアル工事への挑戦

「雨だな」。事務所の窓から外を眺めながら藤田はポツリ、とつぶやいた。今日は、担当する水力発電所のパトロールが予定されていた。雨は、水力発電所にとって恵みとなる。その反面、今の藤田にとっては、やっかいなものでもあった。それは、水力発電のリニューアル工事の真っ最中であったからだ。その水力発電所は、かつて日本の三大銅山として栄え、住友グループの発展とともに日本近代化の礎をつくることに貢献した別子銅山がある別子山の村にあった。1955年に作られ、老朽化が進み、将来的に廃止される見通しだった。およそ200人の村人の生活を長年支え続けてきた小さな発電所を2003年に持ち主である別子山森林組合から住友共同電力が譲り受け、その後運用してきた。 この小さな発電所に明るい兆しが見え始めたのが、FIT制度だった。再生可能エネルギーを対象としたこの制度の適用と取水量を増量し、発電出力を従来の約2倍に増強更新することによって事業性が評価されることとなり、新しい水力発電所に生まれ変わることなった。 愛媛県新居浜市からおよそ車で1時間弱。緑と渓谷が続く山間の道を走ったところに見えてくる建設中の別子山発電所は、まるで民家のような佇まい。外側からは一瞥してそれが発電所とは思えないほどだ。車から降りた藤田は建物の裏側に向かい、まもなく施工が終る水圧鉄管路を見上げた。自らが設計と工事を担当した水圧鉄管路が雨粒とともに光るその姿を見て、満足感とともに頼もしさを感じていた。

環境と調和とした再生可能エネルギーの活用、
さらに、経済性と耐久性も追求

別子山発電所の設備は50年前そのままに、狭い建物の中を占有するように旧式の発電機と水車が並んでいた。リニューアルにおいては建屋の外観はそのままに、内部の設備はコンパクトで最新鋭の水車と高効率の発電機に取り替えられていた。設備と同時に取水設備も更新されたが、それこそ、藤田の腕の見せ所だった。丹念に取水環境の調査を行ない、想定される発電量や導入設備などに合わせて機器設備担当とのミーティングを繰り返し、プランを構築。古くなった導水路も新しくし、水圧鉄管路の落差や寸法などを緻密に計算しながら設計を行なった。この別子山水力発電は出力1000kW以下で、再生可能エネルギー買取制度の対象となる小水力発電と呼ばれるクラスとなる。 藤田のモットーは、他の事例をよく調べて、担当する新しい工事に活かすことだ。別子山発電所は共電が手掛ける小水力発電所の2例目となる。すでに高知県で初めてのマイクロ発電所となる大平発電所の建設を行っていた。藤田は、その事例の調査から仕事をはじめた。先輩社員のところへ足しげく通い、疑問点を細かくチェックしていった。そして、その取水口から水圧鉄管路に至るまで過去事例にヒントを得て工事に取組んだ。さらにもうひとつ藤田がこだわったのがコンクリートだった。共電では、ボイラー燃焼によって生まれる灰の有効活用に取組み、他社との共同により新しいコンクリートの開発・実用化に成功していた。灰から生産した成分(CfFA)を混ぜたコンクリートは従来コンクリートをしのぐ強度を持つ。このコンクリートを工事に採用することで頑強さと耐久性の強化とともに、経済性も追及した。

四国から日本全国へ
水力発電の新たな活用時代を目指して

東日本大震災以降、エネルギー事情は一変した。再生可能エネルギーなど新エネルギー需要の高まりに対応して、太陽光や風力とともにクリーンエネルギーとしての水力発電の価値が高まっている。山間部の多い日本にとって、自然環境を活かした水力発電所が見直され、新たな活用法が模索されていた。そんななかでマイクロ水力発電と呼ばれる小規模タイプは環境との調和や容易な建設などのメリットを有している。また、新たに導入されたFIT(買取制度)が追い風ともなった。マイクロ水力発電プロジェクトは高知県大平発電所からはじまったが、国の施策に沿って再生可能エネルギーの活用・推進を図ることができる最大出力1000kW以下とされるマイクロ(小)水力発電は、今後各地で導入されていくことが予想されている。1例目となる大平発電所は新規建設であり、2例目の別子山発電所はリニューアルだ。共電にとって、2つのマイクロ発電所の建設を通じて、知見とノウハウが得られた意義は大きい。どちらも山間部の多い日本において、新しい水力発電の活用をすすめる格好のモデルとなることだろう。かつて、日本各地で発電所の町として栄えた地方は、現在、概ね過疎化や高齢化に悩んでいるケースが多い。そんな現状に明るい灯を灯すのがマイクロ水力発電なのかもしれない。小さな発電所が大きな価値を生み出して地域再生や活性化につながる新しい時代が、今、開かれようとしている。

  • 大平小水力発電所

    大平小水力発電所

  • 大平小水力発電所の水圧鉄管路

    大平小水力発電所の水圧鉄管路

  • 別子山発電所 発電機・水車 設置工事

    別子山発電所 発電機・水車 設置工事

  • 自ら設計と工事を担当した水圧鉄管路の工事現場にて

    自ら設計と工事を担当した水圧鉄管路の工事現場にて

四国から日本全国へ
水力発電の新たな活用時代を目指して

東日本大震災以降、エネルギー事情は一変した。再生可能エネルギーなど新エネルギー需要の高まりに対応して、太陽光や風力とともにクリーンエネルギーとしての水力発電の価値が高まっている。山間部の多い日本にとって、自然環境を活かした水力発電所が見直され、新たな活用法が模索されていた。そんななかでマイクロ水力発電と呼ばれる小規模タイプは環境との調和や容易な建設などのメリットを有している。また、新たに導入されたFIT(買取制度)が追い風ともなった。マイクロ水力発電プロジェクトは高知県大平発電所からはじまったが、国の施策に沿って再生可能エネルギーの活用・推進を図ることができる最大出力1000kW以下とされるマイクロ(小)水力発電は、今後各地で導入されていくことが予想されている。1例目となる大平発電所は新規建設であり、2例目の別子山発電所はリニューアルだ。共電にとって、2つのマイクロ発電所の建設を通じて、知見とノウハウが得られた意義は大きい。どちらも山間部の多い日本において、新しい水力発電の活用をすすめる格好のモデルとなることだろう。かつて、日本各地で発電所の町として栄えた地方は、現在、概ね過疎化や高齢化に悩んでいるケースが多い。そんな現状に明るい灯を灯すのがマイクロ水力発電なのかもしれない。小さな発電所が大きな価値を生み出して地域再生や活性化につながる新しい時代が、今、開かれようとしている。

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